【自宅ラボ】VCSA のバックアップを実施してみる (vSphere 8)
【自宅ラボ】VCSA のバックアップを実施してみる (vSphere 8)
vSphere 環境において、vCenter Server は全 ESXi の管理や、vCenter Server 上で管理している情報等、重要な情報が多数格納されています。
そのため、VMware としてもバックアップを推奨しており、特に vCenter Server のアップデート適用時等は、事前にバックアップが取得済みであるかを尋ねる画面が表示されます。
筆者は自宅ラボでバックアップを取らずにアップデートを実施した際、実行中に作業 PC がスリープに入ったことで再接続時に不安定な状態となり、再構築不可避な状態に陥りました。
幸い、設定量がそれほど多くないこともあり、比較的短い時間での復旧することはできましたが、それでも数時間の時間を要しています。
その反省を踏まえ、 vSphere 8 環境の VCSA にてバックアップを取得することとして、その方法を紹介します。
事前準備
今回の環境は vCenter Server 8.0 Update 2a にて実施しています。
VCSA バックアップ方式
VCSA のバックアップには、以下の2種類があります。
- ファイルベースバックアップ
- VCSA 自体が有しているバックアップ機能
- 外部サーバーへバックアップデータを保存
- 再デプロイ時にバックアップデータからリストア
- イメージベースバックアップ
- vSphere API を利用するサードパーティ製品によるバックアップ
- 仮想マシン全体のイメージバックアップとなるためリストアが容易
今回は VCSA 単体で実施可能なファイルベースバックアップを実行していきます。
ファイルベースバックアップの準備
VCSA のバックアップとリストアにあたり、あらかじめ下記の準備が必要です。
VMware のドキュメントも併せて確認をお願いします。
- サポートされる Web ブラウザ環境
- FTP、FTPS、HTTP、HTTPS、SFTP、NFS、SMB でアクセス可能なサーバー
- FTP、HTTP は平文通信のため非推奨
- 宛先サーバーへのアクセス権のあるアカウント情報
- バックアップ時は書き込み権限
- リストア時は読み取り権限
- HTTP、HTTPS の場合は、Web サーバー側で WebDAV の有効化が必要
- リストア時に必要
- バックアップ時点の vCenter Server と同一バージョンのインストーラー
- サポートされる実行 OS 環境
VCSA バックアップ
vCenter Server Management Interface ログイン
Web ブラウザで vCenter Server Management Interface へログインします。
- Web ブラウザで以下ページを開き、 vCenter Server Management Interface へログイン
https://<vCenter Server FQDN>:5480
ユーザー名は [root] - 正しくログインすると下記のような画面が表示
スケジュールバックアップの設定
バックアップは定期的に実行されることが望ましいため、スケジュールバックアップの設定を実施していきます。
- 左ペインから[バックアップ]を選択
- [バックアップ スケジュール]の[構成]をクリック
- [バックアップ スケジュールの作成]の画面にて、バックアップ先の設定を実施
- [バックアップの場所]へ下記形式にてバックアップ先サーバーの情報を入力今回は NFS サーバーを用意したため、下記のように入力しています。
<protocol>://<server addr>:<port num>/<folder>/<sub folder>
nfs://nas.a5tkht.test/vmware-vackup
- [バックアップ サーバの認証情報]にてバックアップ先サーバーの認証情報を入力
- [スケジュール]にて適時スケジュールを指定
- オプション項目として、バックアップファイルの暗号化を行う場合は[バックアップの暗号化]にパスワードを入力
今回はラボ環境のため未指定(暗号化なし) - [保持するバックアップの数]へ、バックアップファイルの世代管理を指定
- [データ]はすべてのデータを復元するため[Stata, Events, and Tasks]を有効
- 入力内容を確認して[作成]ボタンをクリック
- [バックアップ スケジュール]のステータスを開き、設定が保存されたことを確認
手動バックアップの取得
スケジュール バックアップを作成しましたが、今回は即時バックアップを取得してみます。
- vCenter Server Management Interface の[バックアップ]画面[アクティビティ]の[今すぐバックアップ]をクリック
- [今すぐバックアップ]画面が開く
- バックアップ スケジュールで指定した保存先情報、ユーザー名を利用する場合、[バックアップ スケジュールに指定されたバックアップの場所とユーザー名を使用します。]にチェックを入れることで、自動反映させることが可能
- 認証情報のパスワードは反映されないため、[バックアップ サーバの認証情報]にて、パスワードの入力を実施
- その他の情報はバックアップ スケジュールでの設定と同様
- 入力内容を確認して[起動]ボタンをクリック、バックアップが開始
- バックアップが成功すると、[アクティビティ]のステータスに[完了]と表示
以上でバックアップが作成されました。
バックアップ時は自動的にフォルダパスが生成され、下記のようなパスとなりました。
<指定フォルダパス>/vCenter/sn_<vCenter FQDN>/<バックアップタイプ>_<vCenter バージョン>_<バックアップ取得年月日>_<バックアップ取得日時(UTC)>_
フォルダ名の[バックアップタイプ]は、自動の場合は[S]、手動の場合は[M]となります。
なお、バックアップのデータサイズは利用状況により左右されます。
また、バックアップ時間もデータサイズやネットワーク環境、バックアップ先サーバーのの書き込み速度に左右されます。
おわりに
バックアップは万が一の場合に必要なものとなります。
今回筆者も自宅ラボとはいえバックアップの重要性を痛感しました。
バックアップ設定は vCenter Server 側の設定としては簡単であり、バックアップ先環境の準備のほうが一定のハードルがあるのではないかと思います。
次回はバックアップファイルからのリストアを実施していきます。
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