【自宅ラボ】vSphere Lifecycle Managerでクラスタのアップデート
【自宅ラボ】vSphere Lifecycle Managerでクラスタのアップデート
vSphere では、 ESXi のバージョンを「イメージ」として管理を行い、クラスタ内のホスト間のバージョンやコンポーネント構成に一貫性を持たせる機能として vSphere Lifecycle Manager があります。
今回はこの機能で vSAN HCI クラスタの ESXi ホストをアップデートしていきます。
前提条件
今回の構成は下記で実施しています。
- サーバー筐体 (3台)
- 機種
- Intel/ASUS NUC13ANHi7
- 組み込みアドオン
- Intel LAN and USB Add-on Assembly Module NUCIOALUWS
- 2.5Gbps NIC + USB 2.0 2ポート
- USB NIC
- ASUS AS-U2.5G2
- RTL8156B コントローラ搭載
- vSphere 環境
- vCenter Server 8.0.3
- Build 24322831
- ESXi 8.0 U3c
- Build 24414501
- 追加コンポーネント
- VMware Tools Async Release
- VMware USB NIC Fling Driver
- 各種ライセンス
- vCenter Server 8 Standard
- vSphere 8 Enterprise Plus
- vSAN Enterprise
『【自宅ラボ】NUCでESXiをiSCSIブートする』の内容を実施済みの環境となります。
事前準備
今回は vSAN HCI クラスタであるため、アップデート時のトラブルや異常、予期せず長時間要することを避けるため、クラスタの状況を確認しておきます。
なお、途中に vMotion が発生することによる処理時間の増加を回避するため、
vSAN クラスタの健全性確認
vSAN Skyline Health を確認して、 vSAN クラスタサービスに問題が生じていないことを確認します。
ディスク障害等が生じている状態で停止した場合、起動時に正常にクラスタを開始できない等が生じる可能性があります。
- vSphere Client の [ホストおよびクラスタ] にて一覧からシャットダウンを行う vSAN クラスタを選択
- [監視] タブを選択
- [vSAN] - [vSAN Skyline Health] を選択
- クラスタで認識済みの軽微な問題を除き、注意や警告が発生していないことを確認
再同期タスクの完了確認
vSAN を構成するにあたり、 vSAN サービスが利用する VMKernel をあらかじめ設定します。
- vSphere Client の [ホストおよびクラスタ] にて一覧からシャットダウンを行う vSAN クラスタを選択
- [監視] タブを選択
- [vSAN] - [オブジェクトの再同期] を選択
- 再同期オブジェクトの合計数が [0] であることを確認
クラスタのアップデート
イメージの修正
クラスタに適用しているイメージの変更をおこないます。
- vSphere Client の [ホストおよびクラスタ] にて一覧からアップデートを行う vSAN クラスタを選択
- [編集] ボタンを選択
- [ESXi バージョン] にてアップデート対象のバージョンを選択
- 必要に応じて [コンポーネント] の [詳細を表示] を選択
コンポーネントの更新を行う場合は [コンポーネントの追加] から新しいバージョンのコンポーネントを追加 - [検証] ボタンを選択
- [イメージは有効です。] が表示されたことを確認して [保存] ボタンを選択
事前チェックの実行
変更したイメージを適用するにあたり問題が無いことを確認します。
なお、今回の構成では VMware による認定を満たしていないハードウェアであるため、互換性の問題が検出されますが、自己責任として次のステップへと進めていきます。
- [事前チェックの実行] ボタンを選択
- [事前チェックが完了しました] の内容を確認
vSAN におけるハードウェア互換性が認定されていないデバイスである問題については、自宅ラボ環境であるため問題なしと判断します。
クラスタのアップデート開始
クラスタ内の ESXi ホスト全台をアップデートします。
アップデートは1台ずつ順番に適用され、自動的に再起動が行われます。
- [すべての修正] ボタンを選択
- [修正の影響の確認] にて内容を確認して [修正の開始] を選択
- ホストの修正が完了するまで待機
アップデート時間は環境により異なりますが、筆者の環境では 15分を要しました。 - [修正が正常に完了しました] と表示されることを確認
アップデートの確認
おわりに
今回は vSphere Lifecycle Manager に vSAN クラスタでのアップデートを適用する方法を紹介しました。
十分なネットワーク速度やホストの CPU/メモリリソースの余裕がある場合、 DRS による自動的な vMotion も行われ、無停止で全台アップデートを実現することも可能です。
また、本方式の場合、1度のパッチ適用でバージョンアップ前から指定バージョンまでの全てのパッチ情報が内包されること、ベンダーアドオン等の再適用を意識することなく完了させることが可能です。
また、 vSAN のように VMware のハードウェア互換性リストが重要となるものにおいても適切な確認が行われるため、意図せずサポート外となることも避けることが可能です。
vSAN やベンダーアドオンを利用している環境では積極的に利用することを検討してみてください。
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