Windows 11 のウィジェットを EMM で完全に無効化させる【Workspace ONE UEM】
Windows 11 のウィジェットを EMM で完全に無効化させる【Workspace ONE UEM】
Windows 11 では、かつて Windows Vista / 7 で利用が行えたウィジェットが再設計されて復活しています。
ところが、標準ではジャンルを問わないニュースやゲームの広告等が表示されるため、企業によっては内部ポリシーとして許容できないとの判断となることもあると思います。
今回は、 Workspace ONE UEM でウィジェット機能を無効化する方法を紹介します。
なお、ベータ機能を利用するものであるため、各製品のバージョンによって利用できない場合や、項目名の変動が生じている可能性があるためご注意ください。
前提条件
今回は以下の環境にて実施しています。
- Workspace ONE UEM
- 24.6.0.3 (2406)
- Windows 環境
- エディション: Windows 11 Pro
- バージョン: 24H2
- OS ビルド: 26100.2033
なお、 Windows マシンは Workspace ONE UEM に加入しており、 Intelligent Hub がインストールされた状態が前提となります。
また、本機能は Microsoft 社が EMM 制御向けに提供している Policy CSP を利用しているため、他の EMM でも利用可能であり、標準機能で提供されていない製品においても、手動定義が可能であれば制御を行うことができる場合があります。
ウィジェット機能のおさらい
Windows 11 にて搭載された機能であり、初期設定ではタスク バー左端に天気情報が表示されています。 (Windows 11 22H2 以降)
このアイコンにマウスオーバーやクリックすることで、様々な情報を一括表示させることが可能です。
ただし、表示される情報は一般向けのニュースとなるため、業務上では相応しくない内容が表示される場合もあります。
なお、このアイコン自体はユーザー自身の設定として、タスク バーの設定にてウィジェットをオフにすることで非表示とすることができます。
ただし、この状態でも [Windows] キー + [W] キーのショートカットでウィジェットが表示される仕様です。
今回紹介する方法を利用する場合、ショートカットキー操作でも呼び出すことができない状態とすることができます。
ウィジェット無効化の設定
プロファイルの作成
今回は新規のプロファイルとして、ウィジェットの無効化を行う専用のプロファイルを作成します。
- Workspace ONE UEM 管理コンソールへログイン
- [リソース] > [プロファイル&ベースライン] > [プロファイル] を選択
- [追加] ボタンから [プロファイルを追加] を選択
- [Windows (ベータ版)] を選択
- [デバイス プロファイル] を選択
- 任意のプロファイル名を設定
- ペイロードの一覧から [NewsAndInterests] の [追加] をクリック
※検索にて [news] 等のワード検索による絞り込みも可能 - [Allow News And Interests] を [Not allowed.] に設定して [次へ] ボタンを選択
- [割り当ての] の [スマート グループ] にて、対象とするスマート グループ、組織グループ、ユーザーグループを指定
- [展開] にて必要に応じて設定
今回は [削除を許可] を [なし] に変更 - [保存して公開] ボタンを選択
- プロファイルが作成されたことを確認
適用状況の確認
タスク バーの設定にて、 [ウィジェット] が [オフ] で非活性となり、有効化が行えなくなりました。
また、設定の上部に EMM による制御が適用されていることを示す、 [これらの設定の一部は、organizationによって管理されています。] と表示されます。
なお、 Windows 11 Pro 24H2 (26100.2033) では、設定上はウィジェットが [オフ] で非活性となりますが、一度サインアウトして再度サインインするまでは、ウィジェットが表示され続ける動作を確認しています。
再度サインイン後は、左下の天気情報アイコンが削除され、ショートカットキーでもウイジェットを利用することができなくなります。
再有効化時の補足
プロファイルの削除等によりウィジェット機能を再度有効化させた場合も、一度サインアウトして再度サインインするまでは、天気情報アイコンは表示されない動作を確認しています。
おわりに
今回は、企業ポリシーとして Windows 11 Pro で追加されたウィジェットの完全な無効化を行うことができました。
Windows 10 のサポート期限も2025年10月14日と1年後に迫っているため、企業においても Windows 11 への以降を避けて通れない状況と思いますので、今回の機能は活用できるものと考えています。
なお、個人の見解とはなりますが、今回利用したプロファイルの種別として Workspace ONE UEM の UI 上は [ベータ版] の表記がありますが、利用している Policy CSP は Microsoft 社が正式に提供している機能であるため、 UI 上のブラッシュアップが完了していないことを示すものではないかと思われます。
ベータ版の種別内は全て英語表記のままであり、多数の選択肢も説明を含むため見切れが生じており、 UI としての洗練が完了していないように見受けられました。
今後の製品開発により改善される可能性があり、その場合は項目名の変動が生じることも予想されます。
その時点の UI にて最適な設定項目を探して適用することが必要になると考えられますので、全体適用前に小規模な適用による動作確認を推奨します。
また、その際にデバイス側で再サインインを行うことを忘れないようにしてください。
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