【自宅ラボ】NUCでvSAN HCIを構成する

【自宅ラボ】NUCでvSANを構成する

ESXi を iSCSI ブートさせた NUC を利用することで、筐体の内部ストレージでは、 NVMe ポートと SATA ポートがそれぞれ1つ利用可能となります。

このポートを活用して、 NUC を利用して vSAN HCI 環境の構成を行う流れについて紹介します。

NUC vSAN HCI セットアップ トップ画像


前提条件

今回の構成は下記にて実現しています。

  • サーバー筐体 (3台)
    • 機種
      • Intel/ASUS NUC13ANHi7
        • RAM
          • DDR4-3200 SODIMM 32GB モジュール x2
        • 組み込みアドオン
          • Intel LAN and USB Add-on Assembly Module NUCIOALUWS
            • 2.5Gbps NIC + USB 2.0 2ポート
        • SATA SSD
          • Samsung 870 EVO SATA SSD
            • MZ-77E500
            • 500GB
            • SATA 6Gbps
        • NVMe SSD
          • Seagate FireCuda 530
            • ZP2000GM30013
            • 2TB
            • PCIe Gen4 ×4
            • NVMe 1.4 
  • vSphere 環境
    • vCenter Server 8.0.3
      • Build  24322831
    • ESXi 8.0.3
      • Build 24414501
    • 各種ライセンス
      • vCenter Server 8 Standard
      • vSphere 8 Enterprise Plus
      • vSAN Enterprise
    • vSAN クラスタ
      • 上記サーバー筐体3台で構成済み
      • vSphere DRS 有効化済み
      • vSphere HA 有効化済み

【自宅ラボ】NUCでESXiをiSCSIブートする』の内容を実施済みの環境となります。


事前準備

VMKernel アダプタでの vSAN サービス有効化

vSAN を構成するにあたり、 vSAN サービスが利用する VMKernel をあらかじめ設定します。

  1. 設定対象の ESXi を選択
    VMkernel vSAN サービス有効化 01

  2. [構成] メニューから [ネットワーク] - [VMKernel アダプタ] を選択
    VMkernel vSAN サービス有効化 02

  3.  vSAN サービスの有効化を行う VMKernel のメニューアイコンを選択
    VMkernel vSAN サービス有効化 03

  4. [編集...] を選択
    VMkernel vSAN サービス有効化 04

  5. [使用可能なサービス] - [有効になったサービス] にて [vSAN] にチェックを付与して [OK] ボタンを選択
    VMkernel vSAN サービス有効化 05

本操作は、 vSAN を構成するクラスタ内の各 ESXi ホスト全台で実施します。


vSphere HA の無効化

vSAN を構成するにあたり、クラスタで vSphere HA の無効化が前提条件となります。

今回の環境ではクラスタで vSphere HA の有効化を実施していたため、無効化を行いました。

クラスタでの vSphere HA 無効化

vSAN の構成

事前準備の完了後、 vSAN のセットアップを開始していきます。

  1. vSAN を構成するクラスタを選択
    vSAN HCI 構成 01

  2. [構成] タブ - [vSAN] - [サービス] を選択
    vSAN HCI 構成 02

  3. 構成タイプの選択にて [vSAN HCI] を選択
    vSAN HCI 構成 03

  4. [シングル サイトの vSAN クラスタ] を選択
    vSAN HCI 構成 04

  5. [構成] ボタンを選択
    vSAN HCI 構成 05

  6. [vSAN ESA] をオフに変更
    ※NVMe デバイスのみ利用可能であるため
    vSAN HCI 構成 06

  7. [次へ] ボタンを選択
    vSAN HCI 構成 07

  8. サービスの詳細を設定
    vSAN HCI 構成 08

    今回はパフォーマンスよりも容量を取るために以下の設定としました。
    また、デバイス廃棄時の安全性を高めるために、データ暗号化を実施しています。
    • 容量効率: デデュープと圧縮
    • 暗号化
      • 保存データの暗号化: 有効
        ※パフォーマンス影響あり
      • 残存データの消去: 無効
      • キープロバイダ: Native Key Provider
      • 転送中のデータ暗号化: オン
      • 再キー化間隔: デフォルト
        • 1日
    • ディスク フォーマット オプション
      • 冗長性の低下を許可: 無効 ※有効化不可
    • RDMA のサポート: 無効

  9. [次へ] ボタンを選択
    vSAN HCI 構成 09

  10. ディスクの要求にて、必要に応じて [要求タイプ] および [ドライブのタイプ] を変更
    vSAN HCI 構成 10 モデル/サイズ表示

    [次でグループ化] を [ホスト] に変更することでホスト毎の設定も可能
    vSAN HCI 構成 10 ホスト表示

    今回は3台共通で同一型番の SSD を搭載しているため一括設定を実施

  11. [次へ] ボタンを選択
    vSAN HCI 構成 11

  12. [フォルト ドメインの作成] にて [次へ] ボタンを選択
    vSAN HCI 構成 12

  13. [確認] にて[終了] ボタンを選択
    vSAN HCI 構成 13

  14. 最近のタスクにて [vSAN クラスタの再構成] が表示されるため完了まで待機
    vSAN HCI 構成 14


vSAN 構成後の後処理

vSphere HA の再有効化

事前準備で vSphere HA の無効化を実施したので、改めて有効化を行います。


vSAN Skyline Health のアラート抑止

SCSI コントローラおよび NVMe デバイスが VMware 互換性ガイドに掲載されていない場合、アラートが表示されます。

本番環境ではサポートされる機器の利用が推奨されますが、コンシューマー向けデバイスを利用したホームラボでは自己責任として利用できるため、アラートの抑制を行います。

  1. クラスタの [監視] タブ - [vSAN] - [Skyline Health] を選択
    vSAN アラート抑止 01

  2. [健全性検出] に [不良] が2件あることを確認
    vSAN アラート抑止 02

  3. SCSI コントローラ、および、 NVMe デバイスがメーカー認定されていない通知に対して [サイレンス アラート] を選択
    vSAN アラート抑止 03

  4. ポップアップで [はい] を選択
    vSAN アラート抑止 04


  5. [不良] が無くなることを確認
    vSAN アラート抑止 05


おわりに

今回は NUC 13 Pro で vSAN HCI の構成を行う方法を紹介しました。

搭載されている NIC が 2.5Gbps であるためパフォーマンスとしては限界がありますが、簡単に vSAN HCI を試すことが可能です。

今回は容量を最優先とすることでパフォーマンスを落としている可能性もありますが、購入コストとのバランスで機器選定を行うのが良いと思います。

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