Android デバイス向けにアプリをWorkspace ONE UEMで配信する
Android デバイス向けにアプリケーションをWorkspace ONE UEMで配信する
Workspace ONE UEM では、大きく分けて2つの種類のアプリケーションを配信することが可能です。
この記事では、それぞれの方式の紹介と、2つの違いについて説明していきます。
Android デバイス向けアプリ配信
Android デバイス向けには、下記2種類のアプリ配信方式を利用可能です。
- 社内アプリ
- パブリックストアアプリ
社内アプリ
Workspace ONE UEM がアプリを保持、管理を行う方式です。
アプリの APK ファイルの配信を行い、デバイスへアプリのインストールを行わせることができます。
主に、自社開発アプリや、Google Play では配信されていないアプリをインストールするために利用します。
また、このインストール方式では GMS を利用しないため、GMS 非搭載デバイス、インターネット接続に制限がある環境でも配信することが可能です。
GMS に関する説明は、こちらの記事 を参考にしてください。
アプリファイル形式
現在の Google Play Store では、Android App Bundle (aab) 形式でのアップロードが行われていますが、執筆時点の2022年11月では、Workspace ONE UEM はこの形式でのアップロードは受け付けることができません。
必ず APK ファイルとしてのインストールが必要です。
ファイルサイズの制約
Google Play 側ではアップロードファイルサイズ上限として 150MB までとなり、これ以上のサイズの場合は別途 Play Feature Delivery 等の実装が必要となりますが、社内アプリの形式ではこの制限はありません。
GMS を利用しないことで Play Feature Delivery を利用できないため、1パッケージとしてビルドする必要があります。
アプリの登録および配信方法
APK ファイルの登録、および、配信方法には、以下の3種類があります。
- UEM へブラウザ経由でアップロード / デバイスは UEM からダウンロード
- UEM が Web サーバーからダウンロード / デバイスは UEM からダウンロード
- UEM が Web サーバーからダウンロード / デバイスは Web サーバーからダウンロード
APK ファイルアップロード画面 |
パブリックアプリ
Google Play Store 上の無償アプリを指定して、Workspace ONE UEM に加入しているデバイスへ配信する方式です。
デバイスは、指示されたアプリを Google Play Store から取得して、インストールを行います。
Android Enterprise として加入したデバイスでは、Google Play Store アプリの動作が、 managed Google Play と呼ばれる、企業専用のアプリストアを表示する動作となります。
managed Google Play 画面 |
【参考】
Google Play を利用して企業内にアプリを配布する | Android Developers
https://developer.android.com/distribute/google-play/work?hl=ja
これにより、あらかじめ管理者が指定したアプリのみが managed Google Play 上に表示されるので、ユーザーは他のアプリのインストールを行うことができない状態とすることが可能です。
配信可能なアプリの種類
パブリックストアでは、下記2つの種類のアプリを配信することが可能です。
- Google Play ストア上の無償アプリ
- 自社開発等を実施した限定公開アプリ
Google Play ストア上の無償アプリ
この方式は、通常のユーザーが取得可能なアプリと同一のものを配信する方式です。
利用させたいアプリのインストールや、デバイスにあらかじめインストールされて出荷されているアプリの更新を行うために利用します。
UEM から表示可能な Play ストア画面 |
自社開発等を実施した限定公開アプリ
自社開発等を実施したアプリを、一般に公開させずに、許可した組織向けに配信を行うための方式です。
社内アプリとの違いは、GMS を利用した配信を行うことが可能となる点であり、世界中の Android デバイスからの接続を受け付け可能な膨大なインフラ環境を利用することができるものとなります。
注意点としては、以下について認識する必要があります。
- Google Play の利用規約、開発ポリシーへの順守が必須
- Google Play 上でユニークのアプリケーション ID を付与する必要
- 連携先 EMM 以外の環境へアプリ配信を行うにはディベロッパー登録として 25 ドルの支払いが必要
【参考】
アプリケーション ID を設定する | Android デベロッパー | Android Developers
https://developer.android.com/studio/build/application-id?hl=ja
デベロッパー アカウント ユーザーの追加と権限の管理 - Play Console ヘルプ
https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/9844686?hl=ja
配信方式による機能差異
配信方式により、共通して利用可能な機能、片方のみで利用可能な機能があります。
それぞれ下記に記載します。
2つの方式で共通して利用可能な機能
- Workspace ONE UEM 割り当てグループ単位での配布先管理
- 自動配信、手動配信の選択
- アプリ単位 VPN の利用
- インストール時に設定を配布可能なアプリケーション構成の利用(対応アプリのみ)
- ベータ版の配布機能(ベータ版提供アプリのみ)
社内アプリのみで利用可能な機能
- 配布開始日時の指定
- 150MB を超える APK ファイルの配信
- 任意のアプリケーション ID
- GMS を利用しないアプリ配信
- Google Play Store 上では提供されていないアプリの配信
- Google Play Store の利用規約上、配信できないアプリも可能
パブリックアプリのみで利用可能な機能
- Google Play 側インフラによるアプリ更新時ダウンロードサイズの低減
- Google Play Store 上のみで公式提供されているアプリの配信
おわりに
今回は、Android 向けのアプリ配信方式の種類と、その違いについて説明しました。
アプリ毎に異なる配信方式を選択することも可能なため、ユースケースや状況に応じて選択することが望ましいです。
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