Workspace ONE UEM で Android デバイスのプッシュ通知機能として AWCM を利用する

Workspace ONE UEM で Android デバイスのプッシュ通知機能として AWCM を利用する

通常の Android デバイスでは、インターネット経由で Google 社との通信を行うことにより、アプリのインストールだけで無く、メッセージのプッシュ通知が実現されており、各種アプリでお知らせ機能としても利用されています。

Workspace ONE UEM でも通常はこの仕組みを利用することで、アプリやプロファイルをデバイスへリアルタイムで適用させることを実現しています。

しかし、一部の Android ベースのデバイスなどでこの GMS が搭載されていない場合や、インターネット接続が制限された環境下であるために GMS が利用できない場合もあります。

Workspace ONE UEM では、このようなデバイスでも管理を行い、プッシュ通知を実現するためのの独自の機能を有していますので、今回はこの機能の利用について記載していきます。

Google 社の提供するプッシュ通知機能

Google 社では、Google Play 等を含めた Android 向けプラットフォームである Google モバイル サービス (GMS) を提供しています。

多くの Android を名乗るデバイスではこの GMS を搭載しており、特に意識をすることなく Google Play Store の利用や、プッシュ通知機能が提供されています。

プッシュ通知機能は、この GMS に含まれる Firebase Cloud Messaging (FCM) を用いることで実現されています。


VMware が Workspace ONE UEM で提供するプッシュ通知機能

Workspace ONE UEM では、独自にプッシュ通知を実現するためのコンポーネントとして、AirWatch Cloud Messaging (AWCM) が提供されています。

AWCM では、Android デバイスや、高耐久性 Windows デバイスへのプッシュ通知を行うことが可能です。

また、その他にもオンプレミスコンポーネントとの連携を行う AirWatch Cloud Connector (ACC) の受付や、macOSの一部リモートコマンドの送信としても利用されています。


AWCM を利用した場合の制限事項

FCM の優位点として、Android OS で省電力を実現する Doze モード時の動作差異があります。

Doze モードは、デバイスが電源に接続されておらず、しばらくの間スリープの状態が継続した際に、バッテリー消費を抑止するためにバックグラウンドのネットワーク接続を減らす仕組みがあります。

FCM を利用している場合、デバイスが Doze モードである場合でも、優先度の高い FCM メッセージとして各種制御の送信が行われるため、リアルタイムでの各種制御を実現することができます。

AWCM をプッシュ通知として利用した場合、このリアルタイム動作を実現できないため、デバイスへの反映タイミングが遅くなる制限事項があります。

そのため、通常の Android デバイスでは FCM によるプッシュ通知の利用を行い、一部のデバイスのみで AWCM でのプッシュ通知の利用を推奨します。

参考
Managing Android Doze Mode for Workspace ONE (78710)
https://kb.vmware.com/s/article/78710


Android デバイスのプッシュ通知機能を AWCM へ変更する

SaaS 版では、 AWCM は基盤機能として提供されているため、追加のコンポーネントを構築する必要はなく、設定の変更のみで利用することが可能です。

この設定は、組織グループへの設定となります。FCM を利用するデバイスとの併用を行うため、現在の組織グループとは別に専用に組織グループの作成を行い、子の組織グループへの設定として実施することを推奨します。

  1. Workspace ONE UEM 管理コンソールへ管理者権限でログイン
  2. 下記操作により [すべての設定] を開く 
    [グループと設定] > [すべての設定]
    Workspace ONE UEM グループと設定


  3. 下記操作により Android 向けの [Intelligent Hub 設定] を開く
    [デバイスとユーザー] > [Android] > [Intelligent Hub 設定]
    Workspace ONE UEM Intelligent Hub 設定


  4. 現在の設定が [継承] の場合、[オーバーライド]へ変更
    Workspace ONE UEM オーバーライド


  5. 下部へスクロールを行い、下記設定を[有効]に変更する
    [AWCM を FCM の代わりにプッシュ通知サービスとして使用]
    Workspace ONE UEM AWCM 使用


  6. ページ最下部へスクロールを行い、[保存]をクリック
    Workspace ONE UEM Intelligent Hub 設定 保存

おわりに

今回は、Workspace ONE UEM のプッシュ通知機能を AWCM へ変更する方法をご紹介しました。

次回は、GMS が利用できないデバイスへのアプリインストールを実現する方法について記載していきます。

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