【自宅ラボ】NUCにvSphereを導入して自宅ラボを作る(vCenter Server インストール&アップデート編)

【自宅ラボ】NUCにvSphereを導入して自宅ラボを作る(vCenter Server インストール&アップデート編)

米 Intel が販売している小型デスクトップPC 「NUC」 (Next Unit of Computing) ブランドの「NUC13ANHi7」を購入しました。

米 VMware のサポート対象外ではありますが、ESXi をインストールすることでコンパクトラボ環境を実現出来ます。

今回は前回までに準備した ESXi を管理するための vCenter Server をインストールする流れについて紹介します。


インストール準備

vCenter Server をインストールする場合、リソース要件以外に下記が必要です。

  • vCenter Server 用 DNS レコード
    • 固定 IP アドレスを使用してデプロイする場合は当該 IP アドレスに対する PTR レコードが必要
    • 使用する FQDN に対する A レコード
  • 対応OS環境
    • 最新の情報は System Requirements for the vCenter Server Installer に記載 
      • Windows 10,11 / Windows Server 2016, 2019, 2022 の x64 環境
      • Linux
        • SUSE 15
        • Ubuntu 18.04, 20.04, 21.10
          • ただし、執筆時点で 21.10 は Ubuntu 側でサポート切れ
      • macOS 10.15, 11, 12
  • vCenter Server インストーラー
    • VMware Customer Connect よりダウンロード
  • デプロイ作業環境と ESXi ホストの時刻同期

vCenter Server のインストールには、GUI インストールと CLI インストールがありますが、今回は CLI インストールを行います。


vCenter Server CLI インストール

vCenter Server の CLI インストールでは、下記の流れで作業を行います。

  1. デプロイ用 JSON 構成ファイルの準備
  2. CLI インストーラーの実行

実施時は公式ドキュメント CLI Deployment of the vCenter Server Appliance も参照してください。


デプロイ用 JSON 構成ファイルの準備

vCenter Server インストーラー ISO ファイルに含まれるテンプレートファイルを用いて、インストール時の定義値を指定したファイルを作成します。

  1. ダウンロードした vCenter Server インストーラー ISO ファイルをマウント
    vCenter Server CLI Install 01

  2. マウントした ISO ファイル内から、[vcsa-cli-installer\templates] フォルダを開き、[install] フォルダをローカルの編集可能な場所へコピー
    vCenter Server CLI Install 02

  3. コピーした [install] フォルダ内から、ESXi 上へ vCenter Server を展開するための [embedded_vCSA_on_ESXi.json] を JSON エディタで開く
    ※今回は Notepad++ と JSON Viewer プラグインを使用
    vCenter Server CLI Install 03

  4. Deployment Configuration Parameters の記述を参考に、デプロイ先情報や展開オプションの指定を実施 
    vCenter Server CLI Install 04

  5. 作成した JSON ファイルの構文チェックを実施
    Windows 環境で実行しているため、下記コマンドおよびフォルダを指定
    > cd <ドライブレター>:\vcsa-cli-installer\win32\
    > .\vcsa-deploy install --precheck-only <JSON ファイルパス>
    vCenter Server CLI Install 05

  6. 作成した JSON ファイルを用いてインストールを開始
    .\vcsa-deploy install --accept-eula <JSON ファイルパス>
    vCenter Server CLI Install 06

  7. ESXi がインストール時の自己署名証明書の場合は接続確認を求められるため、正しいことを確認して [1] を入力後 [Enter] キーを押下
    vCenter Server CLI Install 07

  8. デプロイが開始されるため完了するまで待機
    vCenter Server CLI Install 08

  9. エラーなく処理が完了することを確認
    vCenter Server CLI Install 09

vCenter Server アップデート

執筆時点ではリリースバージョン後のマイナーアップデートが公開されていたため、アップデート作業を行います。

アップデートは vCenter Server から直接取得する方式と、 Customer Connect からアップデート用 ISO ファイルを取得する方式があります。

下記のようなユースケースでは、 ISO ファイルを用いる方式が有用です。

  • オフライン環境
  • 高速なインターネット帯域が利用できない
  • アップデートの作業時間を短縮させたい
  • 複数台の vCenter Server がある環境

今回は vCenter Server から直接取得する方式でアップデートを実施します。


  1. Web ブラウザで以下ページを開き、アプライアンス管理ページでログイン
    https://<vCenter Server FQDN>:5480
    ユーザー名は vSphere Client へのログインに使用する [administraotr@vsphere.local] ではなく [root] を使用
    vCenter Server Update 01

  2. 左ペインで [アップデート] を開き、アップデートの確認を実施
    vCenter Server Update 02

  3. アップデート先のバージョンを選択して [ステージングしてインストール] をクリック
    vCenter Server Update 03

  4. EULA に同意する場合は [使用許諾契約書の条項に同意します。] のチェックを入れ [次へ] をクリック
    vCenter Server Update 04

  5. [VMware カスタマ エクスペリエンス向上プログラム (CEIP) に参加する] にて任意の選択を行い [次へ] をクリック
    vCenter Server Update 05

  6. [vCenter Server と、関連付けされたデータベースをバックアップしている。] にチェックを入れ [完了] をクリック 
    vCenter Server Update 06

  7. インストールが開始するため完了まで待機
    vCenter Server Update 07

  8. インストール中に vCenter Server の再起動が生じ、Web ブラウザ上でエラー画面が表示されるが、処理完了まで待機し、時間をおいてページ読み込みを行う
    vCenter Server Update 08

  9. アプライアンス管理ページが表示されたらログイン
    vCenter Server Update 09

  10. ログイン後、正常にインストールされましたと表示されることを確認して [閉じる] をクリック
    vCenter Server Update 10

  11. バージョン情報がアップデート後の情報であることを確認して作業終了
    vCenter Server Update 11


おわりに

今回は CLI での vCenter Server のインストールを実施しました。

ラボ環境等では繰り返しインストールを行うケースもあるため、同一の定義で繰り返し利用可能な CLI 方式は有用だと感じています。

次回は vCenter Server のセットアップを行い、ESXi ホストとの連携などを実施していきます。

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